Pick up 2消費税増税と物価上昇について身近なところから考えてみよう

消費税上昇のタイミングを整理しよう

皆様もご存じのとおり将来の「消費税増税」が決定しています。
消費税は全ての人がまんべんなく同じ税率でかかる厄介な税金です。

これからの消費税と付き合っていくにあたり、知っておかなければいけないことは 「いつ、どの程度上昇するのか?」と「いつまでにどんな買い物をすればいいのか?」です。
前者は皆様も神経を尖らせていると思いますので、理解されているかと思いますが、 後者の方は様々な媒体から様々な意見が飛び交っており、正直なところ「何が正解なのか」 わかりにくい状況になっています。

全ての人が同じ家庭環境で、同じ年収、同じライフスタイルを目標としているのならば、答えを出すのは簡単ですが、実際のところそうはいきませんよね?

このような転換期には「自分の人生設計」を見つめなおし、どのように自分が行動すれば有利に事が運ぶのかを考えてみることが大事になってくると思います。

それでは今後の消費税増税について簡単に整理してみましょう。

2019年10月から→10%
です。

単純に考えてみましょう。
今、殆どの商品は税込みで値札がついているので、分かり辛いかもしれませんが、

2019年10月から 現在108円で売られているものが110円。
ということになります。

物価が上がったらどうなるか考えてみよう

消費税が上がる度に「便乗値上げ」等とともに話題になっているのは「物価上昇」でしょう。
アベノミクスの効果もあり、一時期に比べれば円安に振れて、輸出が中心の企業の収益は上がっているように見えます。
実際にある時点(2013年1月)と比べて日経平均は約2.1倍くらい(2018年1月現在)になりました。
証券を持っている方にとっては歓迎すべき状況なのは確かでしょう。

しかしながら、どこか儲かる企業がある一方で、減益となる企業もあります。
つまり円安に振れて収益が落ちている企業も沢山ある、ということです。(株価は上がっている場合があります)。

原材料を輸入に頼っている日本では仕方のないことですが、仮に日本で製造されたものを日本国内で消費するとすれば製造物が値上がりしてしまいますね。
しかしながら、売れなくても困るので多少利益を削っても、わずかな値上げにとどめて市場に出すわけです。

ここで気付くことがあります。
物価が上がっても企業利益が少ない場合、そこで働く人の給与は上がりにくいということです。

では海外で製造すれば!という話になると、今度は日本国内で働き口が減るわけです。
ここで物価が上がった時に自分の給与が上がる条件・流れを簡単に整理してみましょう。

①円安により輸出系企業が儲かる。
②メーカーに部品の発注が増える。
③発注が増えた分の売り上げが、原材料輸入コスト増を大きく上回る。
④給与が上がる(輸出系企業、メーカー)
⑤お金が市場に出る。
⑥給与が上がる(サービス業 等)

ということになります。
現状では③の見通しが立ちづらいので、もしかしたら給与が物価に連動して上がらないかもしれないのです。

逆に言えば、③の見通しさえ立てば…(TPPはこの布石だと信じたい)

景気上昇期待に敏感に反応する物価

景気回復の期待感が広がると不動産が値上がりしやすくなります。
原因は将来の不動産価値が上がるかもしれないという期待感で、資産家が投資目的で購入したり、鼻の利く人が「完全に高くなる前に家を買っておく」という行動を起こすからです。

確かに、同じものを高い値段で買いたくないので理に適っているといえます。

逆に言うと、消費税増税後や地価上昇後に高い値段で同じものを買いたくないので、買い控える方が増えると予想できます。

「不況どん底を知っている世代は給与が上がってもわざわざ高い買い物はしない」可能性が高いのです(これが連鎖的になると景気が低迷していきます)。

では、一度上がったモノはいつになったら安くなるのでしょうか?

それは景気が悪くなって自身の給与が下がったころだと推測できます。

例えば「今から家を買う人」、「景気上昇中に家を買う人」、「景気下降期に家を買う人」、「再び景気が底をうった時に家を買う人」に分けてみましょう。

「景気回復前~」
価格:低   ローン:低 
税金:低 給与:上昇予想

「景気上昇中~」
価格:中~高 ローン:高 
税金:高 給与:上昇予想

「景気下降期~」
価格:高~中 ローン:高 
税金:高 給与:横ばい~下降

「再び不況期~」
価格:中~低 ローン:低 
税金:高 給与:下降~横ばい

こうした景気循環とそれにともなう物価循環を考えると、相当な時間がかかることが分かります。

つまり、モノの値段が下がるのを待っていると、いつまでも買えない、という事態になりかねません。これが住宅であれば、その間家賃を払い続けることになるので、値下がりのメリットより、家賃というコストの方が大きいということになります。

そうすると、「買い時」は「ライフプランにより異なる」という結論になります。

皆様の現在のライフスタイルによってとるべき方法は様々です。
増税、物価上昇に対応できる環境整備を私達ファイナンシャル・プランナーと共に構築していきましょう。

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